特別支援教室と通級の違いは?

特別支援教室って?

東京都では、平成30年度(2018年度)から全ての小学校に「特別支援教室」が設置されました。また、中学校では、準備が整った学校(と自治体)から設置が進んでいきました。

設置から4年になろうとしているところですが、まだ詳しいことを知っている保護者の方は少ないのが現状です。

 

ところで、今のところ、東京都だけが「特別支援教室」が設置されていますが、当初は「他の都道府県も特別支援教室をつくりましょう!」と文部科学省が声を上げていました。ただ、よく見ていくと、東京都が実施している特別支援教室と同じようなことが行われている自治体もあることが分かってきたようで、強く推し進めることはないようです。

 

みんママ

ムムム・・・。

特別支援学級は知ってる。通級も知ってる。
じゃあ、特別支援教室って??

あづみ

みんママさんもご存知の通級のような場所です。

学習内容は、主にコミュニケーションや社会性など、いわゆる発達障害のお子さんが日常生活だけでは学びが不足してしまう学習を実施します。

東京都の場合、保護者のニーズと学校の意向がぴったり合ってから、入室に向けての取り組みがあります。お子さんが発達検査を受けてから特別支援教室でのサポートが必要なのかどうかなどが話し合った上で、お子さんが特別支援教室を利用できるかどうかが決まります。

みんママ

う〜〜ん、分かったような、分からないような・・・

とにかく、希望すれば誰でも入室できるものではなさそうですね💧

そうなんです。通級もそうかもしれませんが、特別支援教室も希望すれば入れる、というわけではないのです。

それでは、早速おはなししていきましょう。

特別支援教育はどのように分かれている?

義務教育段階での特別支援教育は、主に3つに分けられています。

 

学ぶ場所 知的障害の程度 特別支援教育の受け方 教育機関決定者
特別支援学校 中〜最重度

・毎日ここで学ぶ
・「副籍」といって、通常の学級に籍をおくこともできる

 

管轄の都道府県や市区町村の教育委員会が就学決定
特別支援学級

軽〜中度

・毎日ここで学ぶ
・通常の学校に併設されている

市区町村の教育委員会が入級決定
通常の学級 知的障害なし 通級や特別支援教室に通う時間もあるが、基本的に通常の学級で学ぶ 市区町村の教育委員会が入級決定

 

通級とは?

実は「通級」という表現は通称で、正式名称としては「通級による指導」なのです。ですから通級は、一つのクラスではなく、あくまでも「学ぶ場」である、ということをここであなたと再確認できればと思います。

 

ここで、もう少し専門的なお話をしますね。

先にお話しした「特別支援学級」には、主に2種類あります。

まず、一つ目は、あなたが思い描く特別支援学級のスタイルです。名称としては「特別支援学級(固定)」と表記されます。

もう一つは、今日お話に上がっている「通級による指導」です。表記は「特別支援学級(情緒障害)」というものでしたが、今はもしかしたら改めているかもしれませんね。

 

通級と固定級の大きな違いは、その性質にあります。

固定級:クラスとして成立している。毎日毎時間、その学級で過ごす。
通級:指導がある日時のみ設置されている学校へ児童生徒が出向く。普段は通常の学級で過ごす。

通級の場合、今在籍している小学校に通級があればさほど問題ないのですが、在籍している学校に通級がない場合、通級が設置されている学校に通う必要があります

その学校が近隣であれば良いのですが、そうも行かないのです。

通級を利用する児童生徒や保護者の方にとって、この通級システム自体が大きな負担です。

 

通級のある学校に1日通うことで、普段の学級での学習が1日受けられなくなってしまいますし、また、当然ながら通学路ではない道を通っての通学になってしまうので、小学生とは言え、保護者の送り迎えは必須です。

その他、いろいろな問題が見えてきたからこそ、東京都では、通級スタイルの変革を図ったのです。(一部の通級は残っています)

特別支援教室とは?

通級は、お子さんが通級が設置されている学校に通うスタイルですが、東京都が実施している特別支援教室は、担当教員が児童生徒が在籍する小中学校へ出向くシステムです。

教員が毎日出向く、という素敵なイメージをお持ちかと思いますが、それは違います。

週に1~2回程度、担当教員が来校し、児童生徒の指導をします。

担当教員が来ない日は「特別支援教室専門員」という役職の人物が、特別支援教室を利用している児童生徒の行動観察をしたり、特別支援教室で学んだことが生かされているかどうか、また、支援教室で今後どのような支援が必要なのかなどをみたりしています。

 

以上のことを考えると、以前の東京都の通級よりも通常の学級、つまり児童生徒が在籍している学級に近いサポートができています。
そして、担任と特別支援教室担当教員、そして特別支援教室専門員が連携できているのです。

 

今日も最後までお読みいただきまして、どうもありがとうございました。