東京都の公立小・中学校の「特別支援教室」は誰を対象としているの?

東京都の公立小・中学校の「特別支援教室」は誰を対象としているの?

今の日本の特別支援教育の一つに、「通級による指導」があります。

あなたがご存知の「通級」という特別支援教育のスタイルです。

 

ここでちょっとおさらいしてみましょう。

 

日本の特別支援教育(知的障害・発達障害の場合)

◯特別支援学校→独立していて、子どもたちは毎日特別支援学校に通う。障害の程度が中度から最重度の子どもが通うことができる

◯特別支援学級(固定)→通常の小中学校に併設。子どもたちは毎日固定級に通う。障害の程度が軽度の子どもが通うことができる

◯特別支援学級(通級)→通常の小中学校に併設。子どもたちは週に1〜2回程度通う。知的障害を伴わない子どもが利用できる

このうち、東京都で実施されている「特別支援教室」は、一番最後の「通級」と同様の性質を持っています。

平成29年度(2017年度)までは「通級による指導」と同じだったのですが、小学校では平成30年度(2018年度)から「特別支援教室」が本格実施になりました。

 

みんママ

「特別支援教室」って何??
「通級」から名前が変わっただけなの??

あづみ

東京都でも「通級」はわずかに残っていますが、それは「特別支援学級」とはまた違うスタイルなのです。

通級学級は、皆さんがご存知の通りですが、今回は、東京都で実施されている「特別支援教室」についてお伝えしていきますね。

 


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それでは、早速お話ししていきますね。

 

 

特別支援教室を利用できるのは?

今現在、東京都の公立小・中学校に設置されている特別支援教室は、希望すれば誰もが利用できるわけではありません。

発達検査を受けて、その結果、特別支援教室に入室するのが適切かどうかが諮られるのです。

 

では、どのような「結果」が特別支援教室入室に適しているのでしょう。

 

まず、保護者の方も学校側も特                                           別支援教室の利用を考えた時点で、学校生活を送る上で、何かしらのサポートが必要だろう、ということが明らかになります。

その後、もし、保護者の方が次のステップを望まれるのであれば、発達検査を受けることになります。ここでいう「次のステップ」とは、学校に「合理的配慮を求める」ということになりますので、保護者の方が合理的配慮を求めない場合、一旦、話はここで終わってしまいます。

「一旦終わる」ので、学校側としては今以上のサポートができない状況になってしまいます。そのため、保護者の方が学校側によりサポートを求めたとしても、学校としては打つ手がない、と思ってください。

 

さて、話を戻します。

発達検査を受けたのち、基本的には知能指数で特別支援教室に入室できるかどうかが決まります。

その理由は、というと、最初にお話しした通り、特別支援教室は、知的障害のある児童生徒は対象ではないからです。

この基準は、学校が決めたのではなく、東京都の教育委員会が決めたことですので、学校にかけあってもどうすることもできません。

 

また、知的障害がなくても、行動や社会性、コミュニケーションスキルに心配がない児童生徒も対象になりません。

 

どうすれば利用できるの?

特別支援教室を利用したい場合、まずは、担任の先生に相談してみてください。

そうすると、特別支援教育コーディネーターを中心にして、お子さんには特別支援教育が必要なのか、学校でできることは何かなどを校内委員会(校長、特別支援教育コーディネーター、担任などが主なメンバー)で話し合われます。

校内委員会が話し合った結果、特別支援教室でのサポートが必要だろうという判断でしたら、発達検査についてお話が出ると思います。

たいていの保護者の方は、教育委員会を通じた発達検査を選択なさっているようです。

 

発達検査の結果次第で、特別支援教室に入室することができるかどうかが決定するのです。

 

ずっと利用することになるの?

以前は「必要がなくなったら退室(卒室)できる」というスタンスでしたが、現在、特別支援教室は、原則1年間の利用となっています。

ただ、課題解決ができていないのに1年だけで「退室」というのはあまりにも乱暴すぎますよね。

本人、保護者の方、そして学校が「課題解決した」と判断した時点で退室となることはこれまでどおり変わらないのですが、「期限」が設けられてしまったため、窮屈な思いをなさっている児童生徒のみなさん、そして保護者のみなさんもいらっしゃるかもしれません。

 

期限が設けられた理由として挙げられるのは、利用者が増加傾向にある、ということだと思います。

通級学級との違いは?

通級指導学級との大きな違いは、児童生徒が在籍している学校ではなく、通級設置校に通う必要がなくなったことです。(通級も残っているので、通級利用者は通う必要があります)

通級に通う際は、保護者同伴が原則ですので、保護者の方が時間を作る必要がありますが、特別支援教室は、各学校に設置されているので、普段在籍している学校で、特別支援教育を受けることができます。

 

児童生徒が足を運ぶのが通級ですが、特別支援教室は、教員が各小中学校に足を運びます。その学校に勤務している教員ではなく、「拠点校」と呼ばれる学校に勤務している教員が、各学校に出向くシステムです。

頻度としては週に1回〜2回程度となっています。

特別支援教室の教員は「特別支援教室巡回指導教員」という名称ですが、その特別支援教室巡回指導教員の巡回指導がある日は、児童生徒は個別または小集団で個別指導計画などに基づいて指導がなされます。

 

ここまでは、児童生徒が「通う(通級)」か「通わない(特別支援教室)」かの違いだけでしたよね。

 

ここから先は、最も大きな違いと言える職業をご紹介します。

これまでの通級は、通級指導学級で学習したことが反映されているのかどうかは、担任と通級学級の教員とのコミュニケーションが主でした。

しかしながら、あなたもご存知の通り、教職は非常に多忙な職業です。
そのため、担任と通級学級の教員との報連相は、対面ではなく連絡ノートや手紙、それから電話などの間接的なやりとりで済まされることがほとんどでした。

 

そこで、特別支援教室と同時に増えた職業があります。それは「特別支援教室専門員」という職業です。

特別支援教室専門員は、教員免許を持っていなくても就ける職業なため、児童生徒の指導はできません。その代わり、特別支援教室での指導を見た上で、それが児童生徒の毎日の学校生活に反映されているかどうかを観察する役割を担います。

そのため、担任とも、そして特別支援教室巡回指導教員とも、これまでよりスムーズに報連相ができる環境が整っています。

 

詳しいことは、東京都のガイドラインをご覧いただくことで最新の情報などが手に入ります。

 

 

今日も最後までお読みいただきまして、どうもありがとうございます。