判定は安易なものではないからこそ、小学校への就学は慎重に。

就学活動 就学相談

年長組のお子さんで、発達障害や知的障害など「目に見えない障害」がある場合、小学校の就学先をどこにすれば良いのか、迷いがちですよね。

就学先を「特別支援学級」にするか、それとも「特別支援学校」にするのか、というお悩みも大きいのですが、それをはるかに超えるのが「通常の学級(以下、一般的な「普通級」という表記にします)」がよいのか、それとも「特別支援学級」がよいのか、というお悩みです。

みんママ

就学活動って、なかなか大変だって聞きます。

中には、精神的に病んでしまうママもいるみたい💧

あづみ

そうなんです・・・。

毎年、お悩みのママさんからご相談を受けますが、大きな苦労を背負ってしまうのは、就学相談担当者との意見の相違ではなくて、パートナーや家族、そして親類とママさんとの意見の相違があるママさんです。

あづみ

当たり前のことなのですが、入学するのは保護者ではなく子どもだ、という視点です。

ここを欠いてしまったり、我が子の実態ではなく、保護者の考えや思いだけで就学先を決定してしまうと、子どもは本来学べるはずのことが学べなくなってしまうのです。

発達障害のお子さんでも、身体的な障害があるお子さんでも、そして定型発達のお子さんでも、どこに就学するのかを最終的に決定するのは教育委員会ではありません。

お子さんとあなたなのです。

 

今回は、そのことを踏まえてお話を進めていきますね。

就学相談とは

「就学相談」とは、お子さんが小学校や中学校に就学する際、普通級で学校教育を受けることに対して、心配や不安を感じる保護者の方向けの相談の場です。

そのため、保護者の方から申し出る必要があります。

 

公的な療育機関をご利用の場合、小学校への就学を考える年中組の秋くらいに療育機関から就学、あるいは就学相談について、何かしらのインフォメーションがあるでしょう。

民間の療育機関のみをご利用の場合は、そのようなインフォメーションがない場合が多いと思います。

 

実際に年長組のお子さんの保護者の方が就学相談を利用する場合、年長組の5~6月頃に教育委員会から案内があります。

しかし、それは個人的な案内というよりは、次年度に就学するお子さんがいらっしゃる全ての世帯に教育委員会がはたらきかけますので、保護者の方が「自分と子どものこと」として考えていらっしゃるかどうかで、お子さんの人生が変わってくるのです。

 

就学先は保護者が決める

就学先を決めるのは、本来であればお子さんです。

しかしながら、現実を見つめてみれば分かるように、お子さんだけで就学先を決めるのは非常に難しいですよね。

ですから、当然、保護者であるあなたがお子さんの就学先の最終決定権があります

 

就学相談を利用すると、各自治体に設置されている教育委員会の就学相談担当者が、あななたのお子さんの今の成長に見合った就学先をお知らせしてくださいます。

それを「判定」と呼んでいます。
その「判定」を出すのが「判定会議」というのですが、その判定会議は就学相談委員、医師、特別支援学校の教員、特別支援学級の教員などが同席し、お子さんの行動観察をしたり、心理士による発達検査などを経た上で会議が開催されます。

その会議で、あなたのお子さんの就学先が、今の日本の学校教育に合う場所が「判定」される、ということです。

 

ただ、これはあくまでも「判定」であって、保護者であるあなたの思いや考えがこの「判定」と違っていても、決しておかしなことではありません。

だからこそ、判定が下るとあなたの心が不安に満ち溢れて、溢れすぎてしまい、あなたの感情を大きく揺さぶってしまいます。

そんなあなたの感情。どうか正面から見つめてください。

就学先が合っていないと

判定会議の判定結果から考察し、あなたが決めた就学先がお子さんに見合っていないと感じた場合、すぐにでも担任の先生に一刻も早く相談をなさってください。

あなたが相談を迷っているうちに、お子さんの成長の機会が想像もできないスピードで、どんどん失われてしまうからです。

判定会議の結果は、9割型あなたのお子さんが学校教育を学ぶ場として適していると考えてください。

どうしてなのかというと、先ほどお話をしたように、判定会議のメンバーがあなたのお子さんが就学をするであろう地域の今の学校教育を知り尽くした人物であるからです。

 

 

さて。

今の我が子の成長を考えず、大人の意思を優先して普通級に在籍をし続けていた子どもは、今の学校教育で一体何を学ぶのでしょう。

同級生と同じように、これから先の人生を生き抜くための知識や技術などを身につけられるのか。

同級生の輪に入って、共に学んだり意見を交わしあったり、友情を深めたりできるのか。

心を許せる友だちを作ることができるのか。

その子ども自身が、自分のための学びを獲得していけるのか。

こういうことに対しての美談はもちろんあります。

でも、本当に「美談」だけで終わってしまうのは、子どもにとって何一つ良いことはありません。

 

私が実際に目にしてきたお子さんたちは、このような結果になっています。

 

「できない」という感覚を感じ取ることができないため、他人へのサポートを求めることができない。

そもそも「ヘルプ」を出すスキルを身につけることができない。(本人が困っていると、本人がヘルプを出す前に誰かが助けてしまうから)

全ての行動は自分発信ではなく、周囲の人の見様見真似。ただ単に真似をすれば良いという誤学習を積み重ねてしまう。(自分から情報をキャッチすることを学べない)

いつも自信がない。自分のことなのに自分で決定できない。

分からないことは誤魔化すことを覚える。特にコミュニケーション力でカバーできてしまうお子さんは要注意。

努力家ではあるが、学習が身に付かない。(今の学習が自分にとって役立つと感じることができないから身に付かない。これは人間の本能。)

ここで少しだけご紹介をしても、こんなにも残酷な学齢期になってしまいます。

学齢期で身につけた学びをあなた自身で振り返って考えてみてください。

あなたの中に今もなお残り続けているスキルですよね?

あなたのお子さんが、今のあなたと同じ年齢に達した時、先ほどお話をしたグレー色でご紹介したスキルが残り続けている可能性が非常に高い、ということなのです。

 

 

この記事が、あなたの就学活動に役立つことができれば幸いです。

 

今日も最後までお読みいただきまして、どうもありがとうございました。