発達障害の子どもの特性から考える応用行動分析での療育・学習の教え方

発達障害は、脳の機能障害が原因だと言われていますが、その原因の詳細はまだ解明されていません。

そして、発達障害の特性は誰にでもあるからこそ、はっきりと「障害」という診断も難しい現状があります。

今回、お話をしたいのは、発達障害の特性の一つでもある「情報処理」についてです。

発達障害のお子さんの中には、情報を読み解く力や情報をキャッチするセンサーのようなものが敏感すぎたり鈍感すぎたりするお子さんもいらっしゃいます。

だからこそ、私たち大人は、お子さんに何かしらの情報を伝えるときに、お子さんが理解しやすい方法で伝えることが重要になります。

そのことを踏まえて、私は、自分がお子さんを教える際に応用行動分析の療育の手法を用いています。

今回は、その応用行動分析の療育の手法である「エラーレスラーニング」について、図解しながらお話ししていきます。

 

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エラーレスラーニングとは

「エラーレスラーニング」とは、お子さんに誤学習をさせない教え方になります。

現行の学習指導要領では、児童生徒が自分自身で試行錯誤しながら学んいくスタイルになっていますが、発達障害のお子さんの中には、そのような学び方が大変難しいお子さんもいらっしゃいます。

また、人間は、初めて学ぶものに対して、最初に入れた思考を定着させることは得意です。その学習内容が適切な場合だったら問題はないのですが、誤った学習だったとしたら、発達障害のお子さんはその誤りの書き換えが非常に難しいのです。

 

以上を踏まえて考えると、私は応用行動分析に「エラーレスラーニング」は、大変有効だと考えています。

お子さんに試行錯誤させるのではなく、教える立場の私が最初から正解を教えながらレッスンを進めていく、というのがエラーレスラーニングの特徴です。

大人が考える子どもの学び

私たち大人は、子どもの「できない」を発見したとき、とても焦ってしまいます。

そういう時の解決策として「子どもに適切な知識を教え直す必要がある」と考えることでしょう。

この場合「誰が教えるのか」ということは、大変重要なことですので、あなたも子どもを教えるのに最良の相手を探すはずです。

こういうタイミングで学習塾などを利用しようと思うこともありますよね♪

ただ、その前にあなたに気づいて欲しいことがあります。

それは何かというと、お子さんがすでに誤学習をたっぷりと積み重ねている、ということです。

つまり、これまで学んできたことが誤学習であるにも関わらず、誤学習が定着してしまっている状況だ、ということです。

この「誤学習タワー」に気づかないまま、お子さんに適切な学習を教えていくのみに注目してしまうと、さらなる誤学習を生む結果になってしまうのです。

そうなると、結果積み重なるのは誤学習だ、ということにも注目してください。

上の図のように、適切な学習を身につけながらも、過去に積み重ねてしまっている誤学習が原因で、新たな誤学習も積み重なってしまうのです。

このような状況になることを避けるためには、これまでに積み重ねてしまった「誤学習タワー」にアプローチする必要があります。

積み重ねた誤学習にアプローチする方法

お子さんの学びを適切な学びにするには、以下の2つの方法での並行したアプローチが理想であり、かつ、効果的だと言えます。

ただ、並行は難しいと思いますので、まずは①→②というアプローチ方法が良いと思いでしょう。

①誤学習を消去する(減らしていく)
②新しく適切な方法を教える

①は、応用行動分析(ABA)の「行動の消去」という手法を活用していきます。

②は、今、お子さんが身につけている学習を「訂正」していくのではなく、全く新しい学習の方法を身につけられるように教えていくことがポイントになってきます。

私のレッスンでは、このようなことを意識して教えていますので、お子さんも学びやすいようです。

応用行動分析で教える

最初の方でも申し上げましたし、また、上の図でもお話ししておりますが、どんな学習でも一度学んでしまうと、それを完全に無くすことは大変難しい、ということを私たちは意識する必要があります。

適切な行動や学習なら安堵しますが、そうではない場合は、対応に苦慮することになりますし、早期発見し、その誤学習が積み重なり定着する前に対処することも可能になります。

 

エラーレスラーニングが応用行動分析の教え方に必須な理由がこれであなたにもご理解いただけたかと思います。

発達障害のあるお子さんは、情報の取り違いを引き起こしやすいため、どうしても誤学習をしてしまいます。

ただ、最初から適切な学びを身につけて積み重ねている「現在」と最初から誤学習を積み重ねてしまった「現在」とでは、未来に起こる適切な学びの定着が全く違ってきます。

 

適切な学びをした過去に誤学習が積み重なっても、今学んだ誤学習を消去するのみにとどまります。しかし、誤学習をした過去に今の誤学習が積み重なると、ますます解決が難しい状況になってしまうことを、あなたも分かっていただけたのではないのでしょうか。

今日は以上になります。

最後までお読みいただきまして、どうもありがとうございました。